図面と手の感覚

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柳宗理さんが無くなったのがすでに2年前。

ふと、ティースプーンを洗っていて色々なことが蘇ってきました。

素朴だけど美しいお皿を注文しに何度か鳥取に通ったこと、著名なプロダクトデザイナーになってからも、パンツ一丁でジープに乗って颯爽と鳥取の実家の工房に現れた逸話など、有名な椅子から公園のベンチ、高速道路などの巨大建築物まで圧倒的な存在感を身近に感じられるプロダクトデザインが、カトラリーシリーズでした。

制作の段階で、主婦の人に意見を求めたり、クレイモデルを手でさわって形を作っていくという手法。

「人が使うものの心地よさは、図面では表せない」みたいなことを言われていて、手触りや手に持った時の感覚をすごく大事にしていたようです。

それを一番感じることができるのが、食器を洗っている時だったりします。
局面が気持ちいいんです。こうやって触りながらこの形状を作っていたんだなぁ・・と、なにか制作者の気持ちにリンクできている気がします。

コンピュータ、デジタル処理が主流の今、図面では伝わらない「ぬくもり」や「手触り」、どの分野にも欠けがちな、そして大事な部分があるのでは?と感じさせられました。