振動系にゴムなどを使ってはいけない

オーディオの振動を支える部分にゴムのような柔らかいものを使うととたんに音が悪くなります。
私は若い頃何も知らずに全体がゴムの塊のようなキャビネットに組み込まれたレコードプレーヤーを買ってひどい目に遭いました。オーディオの音響を調整しても音が良くならないのです。
立ち上がり感が非常に悪く音がなまり切ってもやもやしてはっきりしない、そんな代物でした。
起動後0.1秒台で定速に達するなどといううたい文句に騙されて大金をどぶに捨てたのです。

意気消沈してもいられない、そこで当時エアーフロートプレーヤーというのが究極の物であると確信し自分で作ってみたのです。
市販の2cmも厚みのあるターンテーブルシートを2枚接着しフロートガラスの上で熱帯魚用のエアーポンプで浮かせ、糸でドライブしたものです。
ターンテーブルシートの真円度も低く決してほめられたものではありませんでしたが、硬いガラスと硬い大理石だけで構成されたターンテーブルの音はゴムだらけのDDプレーヤーとは一線を隔するものでした。

エアーフローティングは1/100mmぐらいの薄い空気層の上にターンテーブルが浮いているのですが、空気はこの様な薄い均一な層になると良質なダンパートして働きターンテーブル全体を面で支えダンピングしてくれるのです。その結果ターンテーブルをコツコツ叩いても全く石特有の音がせず硬さと重さがダイレクトに効き針先の反作用に耐え大変良い音がしたものです。立ち上がりも早く、固有の音もせずレコードに入っている音全てを忠実に出して来る、そんな音でした。
この時の経験から振動系にゴムなどを使ってはいけないのだ!・・・ということを痛感したのです。